タオル絞り器の開発「ぎゅっと♡君」

愛のタオル絞り器「ぎゅっと♡君」誕生秘話

電子プリンターのメーカーが、どうしてタオルしぼり器を開発することになったのかと、よく尋ねられることがあります。

前会長の和田(2021年11月に退任)は2006年にガン告知を受け、三大療法を一切受けずに独自での自然療法に専念した結果、1年でガン細胞を消滅した経験をもっています。

その経験を社員に発表後まもなくして、当時営業部長だった松本が2B期の肺ガンと診断され摘出手術を受けました。無事に手術は成功しましたが、ガン細胞の一部は体内に残存の可能性があったため、医師から化学療法による治療を勧められました。

しかし彼はそれを断り、病院の治療を受けずに、和田の指導で自然療法を徹底しました。食事を玄米菜食に切り替え、奥さんの献身的な援助のもと、生姜シップ主体の手当てを始めました。

松本は毎日懸命に熱いタオルを絞ってくれる奥さんの姿を見るにつけ、ただただ申し訳なさが募るばかりでした。

数ヶ月が過ぎた頃、松本は当時社長の和田に次のような提案を持ちかけたのです。「生姜シップの効果が絶大なことは分かりましたが、タオル絞りがこんなに大変だとは思いませんでした。腱鞘炎を患ったり、体力を消耗して途中で断念している人も少なくないはずです。タオル絞りの道具があったら助かる人がたくさんいるのではないでしょうか。社長!我が社の新商品として、タオル絞り器を開発してみませんか!」と言う提言でした。

社長の和田は、ガン患者救済の一助となれば社会貢献にも通じることであり、もの作り一筋でやってきた弊社ならではの仕事かも知れないと、具体的な検討に入ることにしました。

弊社には商品開発合否のルールがあり、市場規模、年間売上高(3年後見込み)、投資対効果、サプライビジネスの付帯など、開発を進める上でいくつかの必要条件を満たさなければならないことになっています。しかしこのタオル絞り器は、これらの条件を一つとして満足するものではありませんでした。

利益本位で判断するならば、到底開発するに価しないものでしたが、利他という観点から捉えたとき、金銭には代えがたい大事な役割が果たせる機会を、天から与えられたように思えました。

早速プロジェクトを編成し、開発に当たりました。本業の電子プリンターとは勝手が違い、試作と試験を繰り返し、手当て専門家のアドバイスも得て、3年後に漸く製品を完成させました。

今では、利用者の皆さんから喜びの声や感謝のお便りをいただき、つくづく商品化して良かったと喜びをかみしめています。今後も更なるご要望にお応えできるよう研鑽を積んでまいります。