市川式・全身生姜罨法

ガン患者さんの多くは、身体が冷え切っていることがほとんどです。免疫を高めるリンパ球は身体を温めるほど活発になりよく働いてくれます。全身を温めて免疫力を高める方法の極めつけがこの全身生姜罨法(あんぽう)です。

身体を温める効果抜群の生姜には、亜鉛が含まれていて肝機能や免疫力の向上にも役立ちます。
湯にビワの葉エキスも同時に加えれば、二つの薬効と温熱湯に浸したタオルが、身体の芯から温めてくれます。血行が促進され、毛細血管が拡張し、体内に溜まっている毒素や老廃物が汗とともに一気に排泄されます。

ガンは血液の病気と言っても過言ではないでしょう。その血液がきれいになるのですから、全身生姜罨法はガン治しの基本中の基本と言える手当てです。この手当てほど気持ちの良いものはありません。手当ての途中から、きっとぐっすりと寝入ってしまうことでしょう。

用意するもの

①生姜粉末(ティバッグタイプのものが便利)・・・30~40g
②天然塩・・・大さじ1杯半
③びわ葉エキス(市販の液状のもの)・・・20mml
④防水シート(保温と布団を濡らさない為)・・・布団大を2枚
⑤汗拭き用のバスタオル、フェイスタオル各数枚
⑥敷き布団、掛け布団(または寝袋)・・・各1枚
⑦罨法用タオル・・・12~16枚(下記、罨法用タオルの作り方を参照)
⑧大鍋(直径30~33cm)
⑨保温性の良い容器(16枚の罨法用タオルが収納できるクーラーボックスが最適、又は発泡スチロールの箱等)
⑩保温性の良いシート・・・1枚
(エアパッキン等、罨法用タオルの保温に使用)
⑪タオル絞り器「ぎゅっと君」(右写真)
⑫タオルホルダー(12枚~16枚)
⑬卓上用カッセトコンロ

罨法用タオルの作り方

フェイスタオル(約36x80㎝)2枚を下図のようにそれぞれまんなかから半分ずつ重なるように折りたたみます。大きさは半分になり四重に重なります。
その状態で図のように四辺と対角線上を縫い合わせます。
注意:出来上がり重量が120gを越えないようタオルを選択して下さい。タオルが厚すぎると、絞れなかったり、故障の原因になります。
 

手当ての仕方

1、寝床の準備
下図の様に頭の下に座布団、腰のくぼみの下には巻いたバスタオル、膝の下には二つ折りの座布団がくるように並べてください。
その上に敷布団と防水シートを広げ足元に掛け布団、防水シートを準備します。


2、タオル絞りの体勢
タオル絞り機「ぎゅっと♡君」を組立て、卓上カセットコンロを下図の様な位置にセットし、寝床の近くに準備します。
保温用容器も「ぎゅっと♡君」」からタオルが絞られて繰り出される位置にして、手の届く位置に置きます。

 


3.罨法用タオルをタオルホルダーに通す
罨法用タオル12~16枚をタオルホルダーに通して準備します。
タオルホルダーはタオルの枚数分揃えておくと時間短縮になり作業が楽になります。タオルを通す際には、タオルホルダーの天地を間違えないように注意して下さい。(くぼみのある方が見えるように通してください)

 


4.湯を沸かす
台所のガスレンジで鍋に8割程度まで水をいれ、一度沸騰させます。
沸騰後に火を止めて粗熱をとり80~90度に温度を調節します。
(火を止めたあと、菜箸で湯をかき混ぜると温度を下げられます)


5、しょうが湯の準備
生姜粉末(ティーバッグタイプ)、天然塩、びわの葉エキスを前項で用意した湯にいれます。
生姜粉末の入ったティーバッグを菜箸で良くふり十分に生姜のエキスをしみ出させます。

*ここから「ぎゅっと♡君」を使用してタオルを絞る手順になりますが、手絞りで行う場合は次の「タオルを手で絞る場合」を参照して下さい。

 タオルを手で絞る場合
 火傷をしないように、両手に軍手をした上から厚手の耐油性ゴム手袋を二重にします。タオルをしょうが湯に浸し、十分に温めてから取り出して、できる限り強く絞ってください。絞ったタオルは保温用の容器に収め、保温シートをかぶせて熱が逃げないようにしてください。この作業をタオルの枚数分繰り返します。
枚数分終了したら手順9からの作業をおこなってください。

 


6.鍋をコンロに移す
鍋を「ぎゅっと♡君」にセットしたカセットコンロに移します。
火力は湯の温度が冷めないように弱火にしておきます。

 


7.タオルを湯に入れる
タオルホルダーに通しておいた罨法用タオルを5枚程度を大鍋の中に浸します。
このとき、タオルホルダーを湯の面から少し出るくらいに立たせておくと取り出しやすくなります。
(タオルホルダーを取り出す際にはやけどにご注意ください。)


8.タオルを絞る
罨法用タオルを5枚ほど湯に浸して、順々にタオルを「ぎゅっと♡君」で絞ります。絞ったタオルはタオルホルダーから抜き取って、近くに用意した保温用の容器に収め、保温シートをかぶせて熱が逃げないようにしてください。
この作業をタオルの枚数分繰り返します。

「ぎゅっと♡君」の使い方については取扱説明書と使い方動画をご参照ください。


9.身体の裏側部分のタオルの置き方
保温容器からタオルを取り出し二つ折りにして、熱をタオルの中に押し込めるように手でパンパンと良く叩きます。(下図左)
叩いた面が肌に当たるようにして寝床の首、背中、腰、両膝裏下にくるように並べます。
(下図の黄色部がタオルです)

 


10.最初に足から包む
裸になって罨法用タオルを並べた上に座り、別の絞った罨法用タオルを使って足を包みます。防水シートと掛け布団を掛けます。
(イラストで足用と身体裏面用のタオルの色が違いますが同じタオルです)


 

11、身体の表側部分のタオルの乗せ方
次に膝頭に1枚、お腹に2枚、タオルを広げて乗せるごとに防水シート、布団をかぶせていきます。
続いて首と顔に二つ折りしたタオルを1枚ずつのせます。鼻だけ出して呼吸路を確保し、保温のため防水シートを掛けます、身体全身は防水シートと掛け布団で覆います。


12.タイマーをセット
気持ちが良すぎて寝てしまうことがありますので15分~20分でタイマーをセットします。終わったらバスタオルで汗をしっかりと拭いてください。


参考文献:

市川加代子著「あなたの治る力を引き出そう」
川竹 文夫著「治る力」